いじめ防止対策専門 郷原行政書士事務所

いじめ防止対策 郷原行政書士事務所

いじめ防止対策推進法解説。その他、教育・学習について

いじめ防止対策推進法改正について

f:id:office-gouhara:20190422170059j:plain

いじめ防止対策推進法の改正


ijimeboushi.com

 

いじめ防止対策推進法の改正がニュースになっています。

 

MBSニュース

いじめ防止法の改正案は「骨抜き」と遺族らが抗議 | MBS 関西のニュース

 

・教育新聞

いじめ防止法の座長試案に 大津市と遺族らが反対を表明 | 教育新聞 電子版

 

いじめ防止対策の現場に携わる者として、なんとか実効性のある法律にしてほしいと願います。

 

大人がいじめ問題にきちんと向き合うためには、法律が必要です。

なぜなら、法治国家において国民の意思(命令)を行政に伝える一番の方法が、法律だからです。

 

しかし、2013年のいじめ防止対策推進法制定以来、この法律は機能不十分と言われています。

 

原因は、

・法律の不備

・学校や教育委員会の理解不足

・教員の忙しさ

など、さまざま言われています。

 

社会問題を解決する際に、よく言われる法則が、話し合いの場には、

「利害関係者(当事者)を3割入れること」です。

 

この当事者が少ないと、当事者に不利になりすぎ、

多すぎると、当事者の勝手になりすぎるそうです。

 

いじめ防止対策推進法の改正にも、フラットな感覚を持つ(学校側にもいじめ被害者側にも偏らない)市民がかかわっていかなければなりません。郷原行政書士事務所でも、政策提言などを行っていけるように組織体制を検討してます。

 

ijimeboushi.com

 

郷原行政書士事務所は、いじめ防止対策専門です。学校への要望書作成をご検討の方は、ご一読ください。

 

なお、料金を見直しました。いじめ防止対策事業は、受益者負担(いじめの被害者がお金を払う)を求めづらい分野です。より高品質のいじめ対策を、受益者負担の少ない形で提供できるように模索しています。

勉強に見返りを求めない

f:id:office-gouhara:20190301111243j:plain

受験マネジメント

 

なぜ勉強するのか


もしお子さんに「なんで英語なんかやらなあかんの?」と聞かれたら、なんと答えますか?

・将来英語話せた方が有利だから
・ほとんどの大学で受験科目に英語があるから

などと答えるでしょうか。

もう少し本質的な答えとしては、

・英語を学ぶことを通して、頭を鍛えているんだよ

というような答えも想定されます。

 

この類いの答えはある一つの価値観に支配されています。


それは、英語を勉強すると「得だよ」という考えです。
タイトルと絡めれば、英語を勉強すると「見返りがあるよ」ということになります。

 


しかし、
本来、勉強は得だからやるものではありません。
学びたいから学ぶのです。

そこに、なぜも理由もありません。

---------------------------------------------------------------

得だからやるという発想は、資本主義社会の根幹を支えています。

しかし、そのような発想しか持てない子供を育てては、その子供の人生は貧しいものになるでしょう。

---------------------------------------------------------------

例1 恋愛

例えば、恋愛。

この人と付き合えば、お金には困らない。
この人と付き合えば、料理を作ってもらえる。

こういった発想で恋愛しようとする若者が多いと、ニュースで取り上げられていました。


付き合った後でも、見返りを求める発想は見られます。

プレゼントをあげたんだから、相手にも返してほしい。
普段支えてるんだから、たまには旅行に連れて行ってほしい。

 


しかし、
本来、恋愛とは「見返り」を求めてするものではありません。
損とか得とかそういった発想とは、次元を異にします

「ただただ、あの人のことが好きだから、あの人のために○○してしまう」
そういったものでしょう。

 

そして、「相手のために何かをする」その行為にこそ、その人の人生の豊かさがあります。
決して見返りに豊かさがあるのではありません。

 

通じる発想が、星の王子さまにある

「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」というものでしょう。

officegouhara.hatenablog.com

 

 

---------------------------------------------------------------

例2 仕事

社会に出てからもそうです。

これだけ仕事を頑張ったんだから、ボーナスをほしい。
お客様のために最高のサービスをしたんだから、相応の対価を求める。

くり返しますが、資本主義社会を支える思想としては、妥当です。
しかし、そのレベルにとどまっていては、豊かな人生とはいえません。

 

ヘレン・ケラーの家庭教師、サリヴァン先生はこう言っています。
「Education is to give and give.」

 

見返りなど求めない、ひたむきな努力を信じる力。
それを、子どもの時から育んでいく必要があります。

officegouhara.wixsite.com

 

f:id:office-gouhara:20190126233104j:plain

 

大切な文章と出会う

f:id:office-gouhara:20190126233044j:plain

 

受験マネジメント

 

関西地区の中学受験がおおよそ終了しました。

受験生の皆さんならびに保護者の皆さま、本当にお疲れ様でした。

 

私としましても、ありがたいことに本当にたくさんの仕事を頂きました。そして、4人全員から第一志望(又は第一志望以上)合格という、最高のプレゼントを頂きました。

 

ここからが郷原行政書士事務所の特徴です。

 

志望校合格のための勉強にとどまらず、人として大切なことを何か伝えたい。それこそが、教育だと思っているのです。

教え子たちには、単に勉強ができる人になるのではなく、「立派な人」に、平たく言えば「かっこいい大人」になって欲しいのです。

 

そこで、継続頂ける家庭では、何らかの形で国語の教育をさせて頂いています。

 

その中で獲得してほしいのは、自分にとって大切な文章との付き合い方です。

人生の指針となったり、判断の拠り所となったり、胸が熱くなるような文章と、出会い・味わい・大切にすることです。

 

私の例ですが、1つ紹介させてください。

サン=テグジュペリの『星の王子さま』から引用します。

ご存知の方も多いでしょう。

王子さまが、キツネから真理を教えてもらう場面です。

---------------------------------------------------

 

キツネが言った。

「じゃあ秘密を教えるよ。とても簡単なことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」

 

「いちばんたいせつなことは、目に見えない」忘れないでいるために、王子さまはくり返した。

 

「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」

 

「ぼくが、バラのために費やした時間…」忘れないでいるために、王子さまはくり返した。

 

「人間たちはこうした真理を忘れてしまった」

 

---------------------------------------------------

 

 王子さまは、バラとけんかをして自分の星から出てきてしまいました。

その旅で地球に来たときに、他のバラとは違って、あのバラだけが美しく見えることに気づきます。

「ぼくが水をやったのはあのバラだもの。ガラスのおおいをかけてやったのもあのバラだもの…」

 

このあたりの王子さまの気づきは、私の気づきにも重なります。

私にとって、この文章は人生の指針です。

何度も何度も読み返しています。

 

例えば、今の自分の仕事が誇り高いものであるのは、その仕事(クライアント・お客様)のために、汗を流して誠心誠意努力したからだと読むこともできます。

 

 

---------------------------------------------------

 

このような体験を、若いうちに経験して欲しいのです。

 

そのためには、立ち止まってじっくり味わう読み方が必要です。

これは、大人が教えてあげなければなかなか獲得できません。

(子どもは、先が気になってどんどん読み進めてしまいます。)

 

なにを甘いことを言っているのだと言われそうです。

しかし、受験に合格するという結果は出す。

結果は出したそのうえで、人格を磨くヒントを与えようとしているのです。

 

子どもも大変でしょうが、これは今後の人生にとってかけがえのないものになると確信しています。

 

素材は、文学にこだわらなくてもいいと思っています。

好きなJ-POPの歌詞を素材にしてもいいかも知れません。

大切なのは、自分の心に響く文書を、味わい大切にすることです。

f:id:office-gouhara:20190126233104j:plain

 

officegouhara.wixsite.com

 

私たちはネアンデルタール人になっていないか

f:id:office-gouhara:20181026214144j:plain

ネアンデルタール人ホモサピエンスの違いについて、近年新しい研究結果が出ています。
 
以前は、ネアンデルタール人は肉体ではホモサピエンスより優れていたものの、知性が劣っていたため、ホモサピエンスが生存競争に勝ったとされていました。
 
しかし研究が進み、知性の面では差はほとんどなかったとされています。
例えば、脳の容積ではネアンデルタールが1600cc程度であったのに対し、ホモサピエンスは1450cc程度であるとされています。
狩りに使う道具も、大差ないものをつくっていたことがわかってきました。
 
そこから、滅亡と繁栄を分けたものがどこにあったのか新しい仮説が生まれています。
それは、社会性と言われています。
ホモサピエンスの方がネアンデルタール人よりも、より大きな集団を形成していたということが、遺跡の発掘調査などから、明らかになってきました。
 
-----------------------------------------------------------
 
ここで終わる番組やサイトが多いのですが、もう少し突っ込んだ議論があります。
 

なぜ、より大きな集団を形成できたのかという点についてです。

 
そして、その要因は、脳の前頭前野の発達にあると見られています。
 
(参考)勉強とランニング~前頭前野関連~
 
この前頭前野の発達により生じた違いは、例えば、ネアンデルタール人は一生懸命に肉を求める一方で、ホモサピエンスは、一生懸命ビーズを作っているといった部分に現れます。
つまり、ネアンデルタール人『実』を求めるのに対して、ホモサピエンス『虚』を求めることができるということです。今すぐ役に立つわけではない、目の前にないものを求めることができたということです。
 
それは、『神』、『貨幣』、『法律』そして『国家』へと繋がります。『自然法則』『社会法則』、現代でいえば『デジタル』なども、『虚』の発想によります。つまり、このような実在しないものを観念し得たということです。
 
そのため、より大きな集団を形成し、社会性の動物として生存競争に勝ち、今日の繁栄を手にしているのです。
 
-----------------------------------------------------------
 

ところで、私たちは『今』の『自分』の『実利』といった、目に見えるものだけを追い求めてはいないでしょうか?

つまり、ネアンデルタール人にはなっていないでしょうか?

 
お子さんは、「算国理社、なんの役に立つねん。ほとんど使わんやん」とか「受験にでんとこは無駄やから、やらん」とは言っていませんか?
近年、AIの可能性と脅威が取りざたされますが、我々ホモサピエンスには、『虚』の力があります。そして、『虚』の思考を鍛える方法が、学問です。
 
 
 

f:id:office-gouhara:20181026214212j:plain

自殺は負けなのか

f:id:office-gouhara:20181018221859j:plain

ijimeboushi.com

自殺という難しいテーマなので、言葉は慎重に選びますが、自分の経験をもとに本音を書きます。

 

まず、今ネット上がざわついている松本さんのコメントについて。

なかなか亡くなった人を責めづらい、責められないよね。でも、そうなんやけど、ついついかばってしまいがちなんだけど、ぼくはやっぱり死んだら負けやっていうことをもっとみんなが言わないと、死んだらみんながかばってくれるっていうこの風潮がすごく嫌なんです。

 

この発言は、自殺をしてほしくない一心での発言であると解釈します。

 

自殺は立派だと言ってしまうと、自殺者が増えてしまうかもしれません。

 

だから、社会全体としては、

自殺したら負け

自殺しても、損するだけ

自殺は逃げ

と言うしかないのでしょう。

 

--------------------------------------------------

 

それでも、私はいじめ問題に携わる者としていいたい。

 

勝ちとか負けとか、得とか損とかそういうレベルの話ではありません。

 

ぎりぎりの状態で、戦い抜いて、最後の最後まで耐えて、それでももうだめだと思って、自殺を選んだ人が、負けとか損とかそういうことにはならないでしょう。

 

歴史に名を残している人の多くも、最後の最後まで生きようと戦い、結果敗れて自殺しています。そして、その死は例外なく、人の心を動かす美しさ・尊さを持っている。

 

--------------------------------------------------

 

自殺してほしくないからといって、自殺に対して、負けとか逃げとかマイナスの評価をするのはもうやめましょう。

 

自殺を防ぐのは、別の方法です。

 

私は、中学生の時いじめを受けました。

もう無理だと思って、自殺を考えたことがあります。

 

そのぎりぎりのところから救ってくれたのは、両親の愛情でした。

「なにがあっても、あなたの味方」といって、抱きしめてくれました。

 

両親に2度与えてもらったこの命。私はその命を使って、自殺に追い込まれている人を1人でも救います。

 

--------------------------------------------------

 

問題は、自殺に追い込んだ人間に対する対処です。

 

 日本は法治国家です。

福沢諭吉先生の教えに従えば、個人で復讐はできません。

しかし、国家がしかるべき対応を取らないのであれば、誰かが正義を実現しなければなりません

 

まさに、伊坂幸太郎氏の小説『オーデュボンの祈り』に出てくる桜(人物名)です。

その島では、悪いことをした人間は、桜に殺されます。

桜がその島の秩序であり、正義なのです。

 

ijimeboushi.com

 

 

動機付け・モチベーション第3回(全3回)

f:id:office-gouhara:20181018161246j:plain

受験マネジメント
動機付け・モチベーション第3回(全3回)

------------------------------

第1回では、Deci&Ryanの自己決定理論を紹介しました。
その中で、外発的動機付けの外的調整、つまり外から強制されて勉強していてはそのうち勉強が嫌になり、勉強をしない方向へ傾いていくという話がありました。

officegouhara.hatenablog.com


第2回では、その仕組みを脳のシナプスの種類分けから説明しました。

officegouhara.hatenablog.com

ここまでは、勉強の動機付けの問題点に触れただけです。
では、どうすれば、子どもは自ら勉強に向かうようになるのか。

------------------------------

 

結論

結論としましては、これだといった方法はないので、愛でもって試行錯誤するしかないです。

 

ここまで読んで頂いた方には申し訳ないのですが、これが私の現場経験からの実感です。

どうすれば子どもは勉強するようになるのか。
その答えは、子どもの数の何倍もあります。
それは、一人ひとりが性格も環境も志望も違う1人の人間だからです。

 

最近は、「○○するためのたった3つのことと」か、「○○したければ、これさえしていればいい」といった安い記事が出回っていますが、全ての人に当てはまる裏技などないのです。

 

特に教育はそうです。

 

ティファールの中の汚れをとるためにはクエン酸を入れてお湯を沸かせばいい(これは効きます)」ですとか「売上を上げたければ筋トレ(これも効きます)」といった話は、教育とは次元が違うのです。

 

私が指導している中でも、ある子でうまくいった方法も、別の子には使えないことばかりです。
もっと言うと、ある日うまくいった方法も、次には効果を発揮しないこともよくあります。

 

その場その場で、今この子にはどうすればいいのか、額に汗して考え出した方法しか効きません

 

そうは言ってもある程度の方法論はあります。
そこで、汎用性が高く、応用すれば多くの子に効果がありそうな方法・例を紹介します。

------------------------------

楽しい勉強・やりがいのある勉強

 

少し前に日本で話題になりました、ドラッカー氏の『マネジメント』からヒントを得ています。
これは仕事に関する方法論ですが、そのまま勉強に応用できます。


勉強を楽しい・やりがいがあると感じさせるためには、
自信
責任
を持たせることが大切です。

------------------------------


まず①の自信を持たせる方法として、例えば、

・やった勉強の見える化
・テスト(できたもの)の結果の見える化

 

などが有効です。

 

私は、教え子と毎回実施している簡単なテストをグラフ化しています。
ちょっとしたことでも子どもは、喜んでくれます。渡すとすぐに壁に貼っていました。

 

ポイントは、はっきり目で見てわかることです。
なぜなら、自分のやってきた勉強が積みあがっていく感覚は持ちづらいからです。
モノづくりであれば、目の前に物体が出来上がっていきますが、勉強はそうはいきません。
さらに、塾の模試などは思うような結果がでないことも多いと思います。

そうすると、子どもたちは、頑張ったのに何も残っていない感覚になります。

「人間を最も苦しめるのは、頑張ったのに報われない感覚だ」

 

これではいけません。手ごたえが必要です。
そこで、勉強したこと・できたことを見える化してあげるのです。これが、子どもの自信につながります。

------------------------------


続いて②の責任を持たせるための方法ですが、

 

・なにを勉強するか自分で決めさせる

 

ことが有効です。

 

子どもは、To Doリストを作ることすら知りません。
まずは作り方を教える必要があります。
毎日でもいいですし、週間で作ってもいいでしょう。とにかく、課題の決定と見える化をすることです。

 

また、そのTo Doリストを作るメリットもきちんと教えなければなりません。
子どもからすれば、そういった間接作業は無駄な労力と感じられます。
「そんな面倒なことする時間あったら、計算の1問でも解くわ」といった感覚です。
そこで、これはすごく大切なのだと説明する必要もあるのです。


ところで、この間接作業ですが、できるだけ本人にやらせるべきです。例えば、プリントの整理など、親がやっている家庭は本当に多いです。確かに受験は、特に中学受験は親と子どもが一緒に戦う必要があります。

 

しかし、間接作業は子どもがやるべきなのです。

 

理由は2つで、1つは教育のため。自分のことは自分でする。そうしないと、子どもが勉強を自分のことではなく、お母さんのことと勘違いします。そして、行きつく先は、お母さんのために勉強しているという錯覚です。

もう1つは、モチベーションのため。間接作業を自分で行うことで、自己管理の感覚が生まれ、勉強のモチベーションを強くしてくれます。

 

To Doリストも自分で作成することで、自己管理の感覚が生まれます。
この自己管理について、ドラッカー氏は以下のように述べています。

自己管理は強い動機づけをもたらす。
適当にこなすのではなく、最善を尽くす願望を起こさせる。 


それに加えて、なにを行うのか任されている感覚から、自分の力が活かされる感覚が生まれ、これは自信にもつながります。

 

f:id:office-gouhara:20181018161331j:plain

一方で、全く子どもに任せるのは危険です。

 

楽しいことと、楽なことの区別がついていない子どもは、つい楽なTo Doリストを作ってしまいます。

 

ヒントになるエピソードがあります。

------------------------------

徳川家康のマネジメント

 

戦国時代、徳川家康はその配下の武将、本多平八郎忠勝から次のように言われています。

わが殿は、はきとしたことを申されぬお人にあれば…


戦国大名と言えば、なにをするかはっきり自分で決めていそうなイメージですが、徳川家康はそうではなかったようです。
いつも、重臣を集めて、次の手を話合わせていたようです。

 

しかし、実は裏があります。
徳川四天王の筆頭、酒井忠次にだけは、事前に自分の意思を伝えています。
そして、重臣たちの会議の中で、酒井忠次がうまく場をリードします。
その間、徳川家康ははっきりとしたことは言いません。
しかし、酒井忠次が、結論を徳川家康の意思の方へと導くのです。

 

このようにして、配下の武将たちは、自分たちで決めたことだという感覚を持ちます。
そうすれば、ただ徳川家康に命じられるよりも、戦に向かう納得感や責任感が生まれます。

------------------------------

最後に。
今回のテーマとして、できるだけ子どもに楽しく勉強してもらうための工夫をお伝えしてきました。

 

一方で、強制されて無理やり勉強させられる経験も必要です。
その経験がない人間は、社会に出てから使いものになりません。親の言うこと(命令)に従う(服従する)ことも、受験勉強を通して教えたい大切な美徳です。
帝国陸軍の反省からか、「命令に対する服従」と言われるとアレルギー反応を起こす人もいますが、これは社会に出る前に身に着けておきたい、精神ステージの高い者のもつ能力です。

 

何事もバランスです。子どもの気持ちいいことだけというわけにはいきません。

------------------------------

今回紹介した方法は汎用性が高いものですが、個別の修正をして実施しなければ効果を得られないかもしれません。
その相談・指導が必要であれば、郷原行政書士事務所を頼ってください。
お力添え致します。

officegouhara.wixsite.com

f:id:office-gouhara:20181018161355j:plain

 

動機付け・モチベーション第2回(全3回)

f:id:office-gouhara:20181013113224j:plain

受験マネジメント
動機付け・モチベーション

-------------------------

前回、Deci&Ryanの自己決定理論を紹介しました。

f:id:office-gouhara:20181013113319j:plain

officegouhara.hatenablog.com

その中で、怒られるのが嫌だから勉強する子と、将来のため・今やるべきことだから・単純に楽しいからといった動機で勉強する子では、たとえ同じ成績だとしても、脳に大きな違いが生じているということを指摘しました。
今回はその詳細を紹介します。

-------------------------

そもそも人の脳はどうなっているのか


脳を考えた場合に、脳細胞などハードの面では同じような仕組みをもっています。
それにもかかわらず、人それぞれに個性が生まれるのはなぜでしょうか。
記憶もそうですし、思考の癖、性格…あげればきりのない違いが人にはあります。

それは、脳細胞(ニューロン)の結合の仕方(シナプス)に違いがあるからです。

参考にニューロンのイラストです。

f:id:office-gouhara:20181013113304j:plain

この脳細胞は、電気的刺激を受けると、他の脳細胞へと神経伝達物質を送ります。そこで脳細胞と脳細胞は、シナプス間隔という隙間をあけて接続されます。
この部分をシナプスといいます。こちらも、なじみのある単語だと思います。

f:id:office-gouhara:20181013113421j:plain

約140憶個のニューロンが、1個あたり約8000のシナプスを形成します。その数、約112兆です。
そのほとんどが、幼少期から青年期にかけて形成され、その人の人格を形成していきます。

-------------------------

促進シナプスと抑制シナプス

そしてその形成されたシナプスには、大きく2種類のシナプスがあります。
促進シナプス(興奮性)
抑制シナプス(抑制性)
です。

 

①促進シナプスは、アセチルコリングルタミン酸といった神経伝達物質が伝達されることで形成されていきます。
外部からの刺激に対して、前向きな気持ちが生まれ、行動に移りやすくなります。


お母さんが新しいテキストを提案したら、「あ、面白そう」「やってみようかな」と思うような子どものイメージです。

 

②抑制シナプスは、GABAやグリシンといった神経伝達物質が伝達されることで形成されていきます。
外部からの刺激に対して、後ろ向きな気持ちが生まれ、行動を控える方向に傾きます。

 

お母さんが新しいテキストを提案したら、「面白くなさそう」「やっても成績あがるんかなぁ…」と思うような子どものイメージです。

 

そして、するしないといった決断は、0:100で決まるのではなく、49:51といった微妙なバランスで決まるというところがポイントです。
何をいっても、「でも…」といってやらない人でも、脳内は促進シナプスも抑制シナプスも存在していて、ぎりぎりのバランスで抑制されているということです。

 

すなわち、日々の少しの心がけで、子どもの脳を促進シナプス優位の、前向きな脳にすることが可能ということです。

 

一方で、抑制シナプスが開発されて、勉強を嫌々やっている子どもは、いずれ勉強をしない方へ傾きます。そして、その脳のまま社会に出てしまうと…

-------------------------

次回は、最終回として、ではどうすれば促進シナプスの開発が進み、自主的に勉強するのか。子どもを、自ら進んで勉強するように仕向ける、仕掛け・取り組み・メソッドを紹介します。

f:id:office-gouhara:20181013113442j:plain

officegouhara.wixsite.com

 

実学として受験マネジメントに必要なレベルでの記述になります。細かな部分で正確性を欠くところもありますが、ご容赦ください。)