大切な文章と出会う
郷原行政書士事務所は、発展解消されNPO法人レイパスとして活動しています。
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受験マネジメント
関西地区の中学受験がおおよそ終了しました。
受験生の皆さんならびに保護者の皆さま、本当にお疲れ様でした。
私としましても、ありがたいことに本当にたくさんの仕事を頂きました。そして、4人全員から第一志望(又は第一志望以上)合格という、最高のプレゼントを頂きました。
志望校合格のための勉強にとどまらず、人として大切なことを何か伝えたい。それこそが、教育だと思っているのです。
教え子たちには、単に勉強ができる人になるのではなく、「立派な人」に、平たく言えば「かっこいい大人」になって欲しいのです。
そこで、継続頂ける家庭では、何らかの形で国語の教育をさせて頂いています。
その中で獲得してほしいのは、自分にとって大切な文章との付き合い方です。
人生の指針となったり、判断の拠り所となったり、胸が熱くなるような文章と、出会い・味わい・大切にすることです。
私の例ですが、1つ紹介させてください。
ご存知の方も多いでしょう。
王子さまが、キツネから真理を教えてもらう場面です。
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キツネが言った。
「じゃあ秘密を教えるよ。とても簡単なことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」忘れないでいるために、王子さまはくり返した。
「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」
「ぼくが、バラのために費やした時間…」忘れないでいるために、王子さまはくり返した。
「人間たちはこうした真理を忘れてしまった」
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王子さまは、バラとけんかをして自分の星から出てきてしまいました。
その旅で地球に来たときに、他のバラとは違って、あのバラだけが美しく見えることに気づきます。
「ぼくが水をやったのはあのバラだもの。ガラスのおおいをかけてやったのもあのバラだもの…」
このあたりの王子さまの気づきは、私の気づきにも重なります。
私にとって、この文章は人生の指針です。
何度も何度も読み返しています。
例えば、今の自分の仕事が誇り高いものであるのは、その仕事(クライアント・お客様)のために、汗を流して誠心誠意努力したからだと読むこともできます。
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このような体験を、若いうちに経験して欲しいのです。
そのためには、立ち止まってじっくり味わう読み方が必要です。
これは、大人が教えてあげなければなかなか獲得できません。
(子どもは、先が気になってどんどん読み進めてしまいます。)
なにを甘いことを言っているのだと言われそうです。
しかし、受験に合格するという結果は出す。
結果は出したそのうえで、人格を磨くヒントを与えようとしているのです。
子どもも大変でしょうが、これは今後の人生にとってかけがえのないものになると確信しています。
素材は、文学にこだわらなくてもいいと思っています。
好きなJ-POPの歌詞を素材にしてもいいかも知れません。
大切なのは、自分の心に響く文書を、味わい大切にすることです。