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習慣の獲得(見える化)

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郷原行政書士事務所は、発展解消されNPO法人レイパスとして活動しています。

 

受験マネジメント

勉強習慣の獲得(見える化

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効果:勉強が継続できるようになり、自立・自律した受験生活が送れる。

その結果、親が勉強しろと何度も言わなくてよくなり、親子ともに楽になる。

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様々な問題集が市販されています。
そのキャッチコピーはどれも魅力的です。

・毎日たったの10分の計算トレーニングで偏差値10アップ
・CDを聞くだけで、社会が総復習できる

しかしご存知のとおり、最も難しいのはこれを継続することです。


そこで本日紹介するのが、見える化です。
この見える化。有効なメソッドとして、企業で叫ばれるようになって久しいです。
その方法と効果は、インターネットで検索すれば多くの記事が出てきます。既にご存知の方も多いかも知れません。
例えば、「手帳に夢を書けば、実現できる」といったものが有名です。

受験勉強にあてはめると、

・なぜ受験を志したのか、ノートに書いてみる
・模造紙に志望校や目標偏差値を大きく書いて、家の壁に貼る
・1日のスケジュールとタスクを紙に書きだす
・どうしても暗記できないものを書き出し、トイレに掲示する
・重要な箇所に、「必ず覚える」書いた付箋を貼る

例はいくらでも上がりそうです。

受験戦略の見える化は前回の記事を参照ください。

officegouhara.hatenablog.com

ここではもう1歩踏み込んで、なぜ見える化するのかまで考えます。

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さっそくの余談になりますが、方法と効果だけわかっていればいいと思われる方も多いと思います。
現代社会は、とにかく効率重視で、方法と効果だけを手に入れて、満足してしまいます。


例えば、なぜそうなるのかはよくわからないけど、スイッチを押せば電気がつきます。
家電製品も大半がそうです。仕組みはよくわからないけど使える。
受験勉強でも、算数でよくありそうです。よくわからないけど、この式からこの式を引くと、求めたい式になる…

 

このような、仕組みが分からないが使えてしまうものを、ブラックボックスといいます。

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見える化も、やり方と効果を知れば、それで目的が達成されます。
しかし、それでは限界がきます。自分で考えて対応ができない、端的に言えば応用ができないのです。

 

現在、学習指導要領の変更、大学入試の改革が注目されています。明治以来の大改革などと銘打たれています。
それに対応して(若しくは時代の要請に対応して)入試問題に手を加える学校が出てきています。
灘中の問題では、ただ解けるだけでなく、なぜその解法でいいのか説明させる問題が出ると言われています。

 

つまり、これからの社会では、ブラックボックス的に、
「よぉわからんけど、こうやったら解けん(解ける)ねん」というのでは通用しないのです。

方法と効果だけではなく、なぜそうなるのかまで踏み込む思考の習慣を作っていきましょう。

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なぜ見える化するのか

見える化の本質は、言語化です。
分かりやすく、図で(私も多用します)見える化して説明することはありますが、
あくまで、見える化することの本丸は言語化です。

そして、言語化することによって、私たちは、意識化することができます。

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ここでさらに余談に入ります。
単に、見える化を考えるだけなら必要なさそうな、遠回りをすることによって、見える化の本質に迫りたいのです。

意識とはなにか。


私には皆目見当がつきません。
それは、現代科学最大の謎です。
20世紀、人類の関心は本格的に宇宙に向かいました。
そして、よく言われるのが、「宇宙よりもわかっていないものがある。それは深海だ」
そして、その深海よりも身近でもっとわかっていないのが、意識です。

 

こんな例えも言われます。
16世紀ころ熱心に研究された錬金術
卑金属から金を作る(そのための賢者の石を作る)試みです。
現在の科学から考えれば、全く的外れな実験をしていたようです。

 

現在、脳科学が目覚ましい進歩を見せています。
脳のどの分野がどのような働きをしているのか、どの伝達物質がどう作用しているのか、
様々なことが脳科学によって明らかにされています(このあたりはホンマでっかTVでもなじみがありますね)。

 

しかし、今の方法を積み重ねていくことによって、意識とはなにかを解き明かそうとすることは、16世紀の錬金術くらい的外れなことのようです。
最先端の科学者ほど、今のやり方では無理だと気付いておられるようです。

 

ただ、それでもどうやらこうではないかと言われていることがあります。

それは、意識とは言語の獲得によって生まれたもののようであるということです。
言葉にすることで、意識は作られる(このあたりの詳細も、いずれ書きます)とすると、自分の人生を意識的にコントロールしたければ、言語化することが鍵になるはずです。
(意識は単なる後追いの認知に過ぎず、人には自由意志はないという意見もありますが、私は否定的です)

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さて、意識とは大変扱いが難しいものです。

・なんでこんなミスをしたんだ。意識が低いのではないか
・意識を入れ替えなさい
・計算ミスしないように、もっと意識して

そういわれても、意識をコントロールするのは難しいのです。

なぜ難しいのか。
それは意識がすぐに消えてしまうからです。
そして、消えてしまった意識を、“意識的に意識する”ことは不可能に近いからです。
意識の力で意識することは、難しそうです。

 

そこで、見える化するのです。

無意識にいってしまったものを意識に呼び戻す。
見える化された(言語化されたもの)を見て、その視覚情報をもとに、意識を再生するのです。

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つまり、意識的に意識するのは難しいので、外部刺激によって意識する。
その外部刺激を用意する行為が、見える化です。

 

もちろん、五感であればどれでも、意識に上りうるのです。
聞ける化、触れる化、匂える化、味わえる化…
しかし、五感の中で、人は圧倒的に視覚情報に強いです。
さらに視覚情報は、言語化ともなじみやすいです。
そのため、見える化が一番勧められるのでしょう。


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そして、見える化にはその先があります。

 

見える化して、何度も何度も意識に上らせます。
例えば、ベッドの上の天井に、
「朝起きたら、計算トレーニング。毎日続ければ、○○中学合格できる」
と書かれた紙を貼ります。

こうして、毎日その紙を見て、計算トレーニングを続けます。
そうすると、そのうち無意識に体が机に向かい、計算トレーニングのテキストを開く日が来ます。

 

これが、習慣の獲得です。習慣は無意識です。
今までは、いかに意識化するかでしたが、ここからはいかに無意識化するかなのです。

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人間は習慣の奴隷である ‐ アリストテレス

意識して、毎日机に向かって勉強するのは、精神的に疲れます。
これが、無意識になれば、すごく楽になります。
この習慣の獲得の第一歩が、見える化です。

 

是非、今の目標・やることを見える化して、
習慣を獲得し、気づけば勉強しているという状態に自分を持って行ってください。

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